叫ぶなら その一言を 竹夫人

ほんの小さなことに
気づけなかった。
あるいはそれは、
「ほんの小さなこと」ではなかった?
私にとっては些末なことだったから、
心の隅にも留めなかったのに。

今から始められることもたくさんあるけど、
後かからでは遅いこともたくさんあって、
待っているのに通り過ぎてしまったものも、
憧れの果てが無為なこともあって、
ため息をついても眠れない。

何が価値を決めるか、
それを定めるのは、
私は私。
あの人はあの人。
誰もが違う基準を心に持ってる。

だとしても、
口に出してくれてもよかったのに。
全てを察するなんて、
とてもできなかったよ。