美しいものが怖い。
哀しみが詰まっているように感じるから。
一生懸命に自分を庇おうとして、
だからこそ輝きを放っているのではないか。
誰からが背中を撫でる。
息を整えるように。
私は目を瞑り、
体の奥底から呼吸をする。
生きることが怖い。
どこにも向かわないものだから。
幾億年か後に消滅する地球で、
時間を紡いで何になるというのだろう。
とはいえ、どれだけむなしさに震えても、
今生きていることは事実であり、
そのことからは逃れられない。
最期まで行けるのだろうか。
その答えは、求めても与えられない。
ただ励ますように、あるいは尻を叩くように、
時間だけが過ぎる。