目瞑れば ためいきに似て 秋の風

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つぶやいても届かない。
近くに行きたいのだと、
その頬に触れたいのだと、
命を分かち合いたいのだと、
ただ好きなのだと、
そう呟いているのだけれど、
あなたは木々の向こうにいる。

涙をこぼしても気付かれない。
あなたに会いたいのだと、
切なくてたまらないのだと、
秘めている想いに押しつぶされそうなのだと、
そのことが胸にあふれてくるのだけれど、
こちらを向いていても、
距離のある所にいるあなたは、
そのことを知らないまま。

だけど私は、
それをあなたに知られていいのか分からない。
そのとたんにさよならが来てしまうかもしれない。
そうなったら身も心も自ら裂いてしまうかもしれない。
けれども、今だって息が苦しくてたまらないのに、
神様、どうしたらいいのか、教えてください。