遠い空の先を、
ずっと見ていた。
そこに、何かがあると思っていたから。
そのころ空は遠く、
しかも広く、
無限にどこまでも続いて、
私はどこの先にも夢見ることができた。
大人になるということは、
空が低く降りてきて、
あの雨の空も、晴れの日射しも、
どこか見たことがあるように感じられて、
空の範囲を知るような、
そんな気分になる。
それが、思い込みだって、
いつか誰かに思い知らせてほしい。
そうしたら、生き直せるかしら。
そう思うってことは、
今に満足してないのかしら。