そんなにいそぐことないのに。
いくら時は過ぎるものだからって、
今から走ることはないのに。
目の前を光の矢みたいに、
東から西へと駆け抜ける。
もう少し顔を見ていたいのに。
次の人にバトンを渡すみたいに、
さっとこちらを一度だけ見て、
それで去って行ってしまう。
どんなに楽しみにしていたか知ってる?
日ごと指折り数えて待っていたのに、
これだけなんて、寂しすぎる。
もう少し昔は、
もっとゆったりしてくれてなかった?
花を楽しみたい。
空気を思い切り吸って、
両手を大空に広げたい。
一年でいちばん好きな季節なのに、
一ヶ月も持たないの、最近。