二人きりの食事。
おしゃれなところじゃ、全然ないのに、
うれしくて、心躍る。
雑誌やネットには、
デートにおすすめの場所、なんて特集があるけど、
そんなところじゃなくたって、
同じくらい嬉しくて。
まさかね、
麺をすするデートがロマンチックだなんて、
十代のころは考えなかったな。
夜景の見えるレストランが、
どきどきの場所なんだって思ってた。
恋を知らなかったってことだよね。
憧れだけだったってことだよね。
好きな人がいたつもりでいたけど、
ああいうのを、恋に恋してたっていうんだって、
今は分かる。
1年後、覚えてるのは、
この味かな。
それとも、交わした会話かな。
