日本には旬という言葉があって、
それは、そのときを逃したら
最もおいしい時期が終わるということでもあって、
特に秋はそのことを意識させられる。
店頭のいちばんいい位置を占めるものが、
毎日変わる。
昨日あったものが後ろに追いやられ、
今日は違うものが鎮座している。
そして皆、それに飛びつく。
だけど、それはいったいどのくらい持つだろう?
明日まで? 明後日まで?
今日の夕食にはあれを使おう、と勇んで買い物に行っても、
もうないなんてこともある。
そうやって考えると、結局何より安定して買えるのは、
じゃがいにやタマネギ、ニンジン、キャベツとか、
人がどこか改良してきたものなんだと気が付いた。
どれも、いちばんいい位置に並ぶことはないけれど、
でも、誰もがその価値を分かっているなら、
いちばんいい位置に並ぶ必要もないものばかり。