この杏仁豆腐、いいだろう。
上にひと匙の黄色。
それはマンゴー。
合うの、って聞いたら、
ふふん、とでもいう顔で笑った。
杏仁豆腐ね、好きじゃないの。
不機嫌そうにいったのに、
ふうん、とだけいって、あなたは笑ってる。
なによ。
唇を尖らせたら、食わず嫌いでもまあいいさ、ですって。
よく分かってる、私のこと。
悔しくなるくらい。
何をいえば、スプーンに手をのばすのか、
知ってていうの。
どうだった?
……別に。
だって杏仁豆腐だし。
そうしたらまた、ふふん、と笑う。
次は酢豚食べに行こうか。
酢豚嫌いだもん。
知ってるよ。
あー、やっぱり悔しい。
こうやって私の世界、広がっていくんだ。