針供養 行き交う人の それぞれに

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毎朝すれ違うのに、
名前も知らない。
ここ以外のどこかですれ違っても、
顔も思い出さない。
縁と言えるのかどうかもわからない。

毎朝の習慣は変わらないのに、
日付は変わる。
そのうち季節も変わって、
私は歳をとる。
幾千、幾万の人とすれ違ったのに、
数人しか記憶に残っていない。

私は誰の記憶に残っているのだろうか。
私は誰を記憶しているのだろうか。

これまで幾千、幾万のひとと行きかったはずなのに、
覚えているのはほんの少し。