暗闇も 梅雨にぬれたり 人の居ぬ

神様はどうして日本に梅雨なんて季節を設けたのだろう。
春の後、
夏の前、
切なさが募る。

神様はどうして一人ひとりに心なんて授けたのだろう。
哀しさや、
嬉しさや、
恋なんて感情を抱く。

雨は、神様の涙だろうか。
それなら、私を慰めてくれているのだろうか。
慰めるくらいなら、
あの人をください。 

ぬるま湯みたいな雨粒に打たれて、
それが誰のものなのかわからなくなりながら、
私はひとり暗い空を見上げる。