夜を割き 祈る君あり 冬銀河

もう何年も前、真冬に祈ったことを思い出す。
神さまとなの就くものならば節操なく、
作法も文言も規範に倣うことなく、
けれども気持ちだけは真っすぐに向いていた

毎年この時期になると思い出す。 
いかにあなたが努力していたか。
いかに私がなにもできなかったか。
あなたは栄光を手に入れて旅立った。
私は結局何にも繋がらなかったものに、祈った。

だけど、本当に何にも繋がらなかったのだろうか。
目に見える直接の結果だけが成果なのだろうか。
あなたの姿が夜の向こうに消えても、
自分の中で蓄積されるこの時間。
それが私に艶を与えて、
命というものの飾りを与えてくれるのでは、と思った。