肩越しの 夜空の芯に 冬の月

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さよならの言葉は、肩越しに聞いた月と共に思い出される。
冷たくて白い月。
涙ほどの熱さもなく、
言葉ほどの現実味もない。

あのとき私は何と答えたのだっけ。
ただその数時間後、
太陽の完全に隠れた空の下で、
大粒の涙を流し続けたことは覚えている。

冬は別れを告げるときではないと思う。
冷たさ、暗さが余計につらい。
月の光は、どの季節より白い。
私はただ、耐えられるかどうかと、自分に対して疑問に思う。