永遠を 待ち望んでも 冬の行く

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子どもの頃、
サンタクロースが実際に居ると思っていたように、
いつか幸せになれると思っていた。
いつか誰かが現れて、
おとぎ話によくあるように、
そして幸せに暮らしました、という未来が、
待っているものと思っていた。

未来は一秒ごとに少なくなって、
見通せるくらいでしかなくなって、
その先に永遠はないし、
そんなものを信じるほど幼くもなくなった。
けれど、どこかで望んでいる。
ただ、終わりまでの幸せを。

見上げれば、冬の空は記憶にある通りに高い。
季節は巡り、美しいものはまた似たような姿を見せる。
幸せな時の幸せは、
決してこの先永遠に続かないだろうけれど、
それでも途切れ途切れに何度もやってくるだろう。
あの雲の流れのように、
全く同じものでないとしても、
どこか似たものが、きっと何度も繰り返される。

それはそれで、私は恐らく満足するだろう。
改めて考えれば、それはなんと幸せなことだろう。
そう思いながら、
冬の空気を深呼吸する。