とこしえを 祈るや遠き 浅い夏

何世紀も経た古都の教会で、
空に一番近いところに設えられた、
丸天井の奥を見上げたら、ふと思った。
ここで幾人が永遠を願っただろう。
それは隣にいるその人か、
それとも海も陸も隔てて遠いあの人か。

誰もが心に誰かを抱えているのだと、
手を伸ばしても届かない、
空に近いあの天井に、
永遠を描いたその画家は、
きっと知っていたのだろう。
なぜならここは、何かの永遠を思う場所。
そう、どの天使も、どの聖人も、
まるでお互いを思いやるように、
その視線を交わし合っている。

地上にいる人間たちもそれに倣って、
募る想いを目線にのせながら、
ささやきを交わし合っている。