暑さにまみれてばかりの日々が過ぎようとしていると、
日が暮れるたびに感じる。
涼やかな風は秋の気配。
のしかかってくるような夏の空気が重くて、
なんど押しつぶされたことだろう。
でも、それもきっともう終る。
夜道を歩きながらほっと息を付く自分に、
けれど、昔の思い出が蘇る。
線香花火にスイカ割りに白波の海。
昔は夏が、好きだったのに。
それからずいぶん時が経ったことに驚く。
ああ、ずいぶん長く歩いてきた。
ふと振り返れば、道のりはずいぶんな距離をもって続いている。
そうか、これほどの道を歩いてきたのか。
未来のことは分からないけれど、
過去の長さが今日は少しばかり胸に来る。