痛みさえ 美しきかな 終の百合

生きていると色々なことがおこる。
出会いも別れも、笑顔も涙も。
ひとつひとつを覚えているわけではないけれど、
心に残るものもある。

はじまる前から、命が潰えるまで記憶しているだろうということもある。
そうではなくて、ふいに起こったことを、後々まで気に掛けていることもある。
どれも、自分の人生の瞬間だと、
アルバムのページをめくるように、
思い出を取り出しては考えたりする。

私はどこに行きつくのだろう。
小さいころなら、見知らぬ土地だと考えた。
けれどもう知っている。
それは、勝手も知らぬ場所ではない。
あそこかあそこかあそこの、どこか。

その時どんな顔をしているか。
それはまだ知らない。