神渡り 光の粒の 浮き立ちん

あなたと人生を考えに来たのは、
幾千年も前から神が祭られてきた場所。
本殿で、作法通りに手をあわせた後、
奥宮へ続く、人気の少ない道を行った。

一歩を進むごとに、
普段人の手が作ったものばかりに囲まれている私でも、
あれ、とはっとするほど、
呼吸する空気が違い始める。

ここにいるのは、
あなたと、わたしと、神さま。
都会とは違う雰囲気の中、
そういってもいいよね、と
隣にいるあなたに口を開きかけたら、
その瞬間、さっと光が舞った。

木漏れ日と、小道に散る影。
それは、とても人の手では作れないほどに美しかった。

ああ、そういうことなんだね。

だから私は口を閉じて、
あなたの腕にそっと寄り添った。