秋雨や 縒れば強さの 増しにけり

糸みたいに降り続く雨。
温かい部屋の中で、
いまだ帰らない人を待つ。
それでも鳴らない電話を待つ。
いつになるやら、分からない空白の時間。

だからって、私は焦らない。
しばらくこのぬくもりから出たくない。
そのうち眠気がやってきて、
ゆるりとばかりに目を閉じれば、
願いの叶う夢がやってくる。
もし眠れなければ、
遠い思い出を探ってみたり。