夕前に 何を語りて 南風の吹く

人の能力には、きっと範囲や限界があって、
それ以上は伸びない、それ以上は理解も想像もしきれないという、
残念だけれど、人によって、
そういう上限というか、違いがあると思う。

人の生きるということには、
それぞれにおいて差があるのだろうか。
人生の大きさ、広さ、深さが、
まったく違うのだろうか。
生きている間に知れる世界は、
人によって、狭かったり広かったり、
色さえ違ったりするのだろうか。

だとしても、
それに何の価値があるだろう。
最期の最後に、人と比べられるわけではない。
それならば、一個人が満ち足りたと思うその感じ、
それこそが、人生の重さではないのだろうか。

もしそうであるならば、
私は自分が何を「満」と思うか、
何に対して心からそう感じるか、
そのことを知っていたい。
そうしたら、それを満たそうという、
そのことを頭のどこかにおいて、
時を過ごすしていけるから。

それは、要するに、
私も幸せになりたいのだ。

人生の終わりは、
まだ、遠くあってほしい。
普段は無邪気にしていても、
どこか意識している。