言葉すら 余計なものぞ 梅雨雨音

音を聞く場所。
都会の、ビルの、エレベータで四階へ。
扉を開けたとたん、
空気から漏れてくる音楽、リズム、
それらが作り出す、瞬間。

世の中で一番強い魔法は、
これまで恋だと思ってきたけれど、
もしかして違うのかもしれない。
そのしなやかな指が奏でる音と、
吸う息までまろやかにするほどの音。

魔法の掛け方は知らないけど、
魔法の掛かり方を知った。
そういいたくなるような、夜でした。