過ぎぬれば 夢の後先 夏納め

物事には、始まりがある。
あなたに会ったとき、
それが始まりだと知らなかったけれど。
それとも、二人であったあの日が、始まりだったのか。

物事には、終わりがある。
こちらは決定的にいつだかわかる。
あの日、暗い夜道で、さよならと口にした瞬間。
作り上げたものも、甘い期待も予感も、あきらめすら、
音を立てて崩れた。

そして物事には、後処理というものがあるのだと、今は思う。
あなたを忘れるための、
過ごした時を清算するための、いろいろなこと。
これがいちばん心を痛くする。
未来に繋がらないひとつ一つのことを、
人生の一部として受け入れられる日は来るのだろうか。