夕月夜 いくつ織り目を 結びたり

ふがいなく思っている。
哀しみも避けては通れない。
雨や風や夜空の星の音。
あの日もらったショールを巻いて、
宙に言葉を投げかける。

情けないと知っている。
怒りに背を向けることなんてできない。
雲も鳥も翼を動かさずに飛ぶ飛行機も、
手が届いたりはしないのに、
欲しがるなんて無駄なこと。

欲を、どうしようもない。
心は、生まれたときからある。