足音に 君を捜して 秋の午後

あなたに一番始めに気付くのは、
その足音。
廊下を渡ってやってくる足音がいくつあっても、
あなたのはわかる。

目を閉じていても、
あなたが触れるのはわかる。
 指の腹の丸さや、頬に上から触れるその順番。 
とても愛おしいから、
眠っていても、きっと気がつく。 

抱かれたら、あなたの匂いもわかる。
深い息をする。
あなたのすべてを吸い込むくらい。 

この目に、あなたの姿を焼き付ける。
その口に、キスをする。
あなたのことを、私の全部で知っていたい。 

ぜいたくかしらね。