雁の行く 風の鳴く空 冷たくも

叶わないとわかっていても、
心が落ちていくのは止められない。
触れることすらできないと、
最初からわかっているけれど。 

それでも一瞬は、
心触れ合うときがあったと思う。
指先を合わせたその瞬間が、
どのくらい心に刻まれているか。 

人の営み。
人の出会い。
人の繋がり。
人の運。

どのくらい後悔するだろう。
恋に落ちたことを。
決して頷いてはいけない、
この恋に。

それでも、仕方ない。
人の人生が全て思い通りにならないなど、
昔の昔から、
誰もが知っていること。