木枯らしに ひるみもせずや 赤煉瓦

その赤煉瓦に、
図らずもロマンチックな気分になる。
冬の東京駅。
ここは、春より夏より秋より、
冬が似合うと思う。

どんなに寒くたって、
コートの襟を立てて足早に、
そこで待つ誰かの元に向かってみたい。
テレビドラマの登場人物のように、
運命を背負ったような真剣さで。 

ううん、カメラが回っていなくたって、
きっとその瞬間は深く記憶に刻まれる。
そんな予感が、冬の東京駅にはある。