薄紅の 空や幾重に 春のくる

春というのは、いつ来るのだろう。
梅が咲いたときか、桜のつぼみが膨らんだときか、
空気が温んだときか、
空が薄青に変わったときか。

 季節というのは、いつが節目なのだろう。
これは冬でもあれは春。
全てが変わるときには、次の季節がそこまで来てる。

一気に、いちどきに全て変わるものなんてあるのだろうか。
季節も、毎日朝がやってくるのも、
人が年を取ることも、
誰かを好きになることも。

そう考えて、
だから今は何かの途中なのだと思うことにした。
あなたが私を好きになる、途中。 
だから、もう少し待つ。
いろいろなものが変わりかけているのは分かってる。
だから、全てに春が来るまで。