寒戻り 袋小路の 先へ立つ

ゴーストタウンとは呼ばないけれど、
誰もいない小路の、静けさは怖い。
さざめき声ですら、
うつつか幻か迷う。

幽霊になったとは言わないけれど、
生気のない時のあなたはこわい。
吐息ですら、
あきらめかもしれないと恐れる。

今のあなた、そういう顔をしている。
肩を丸めて、目を伏せて。
そういうときにかける言葉が、
いちばん気を使う。

でも何かをいわずにはいられない。
だってあなたが心配だもの。
祈りをこめて、
けれどもそれとはわからないよう、
細心の注意を払って、言葉を選ぶ。