別れ路の 真紅や燃ゆる 春もあり

春は行きては帰る季節のようにいわれる。
出会いと別れ。
人の人生が交差する。

確かに、これまでの人生の中で、
別れのなかった春はない。
出会いのなかった春もない。

私自身が動くときもあるし、
こちらはとどまっているのに、
誰かが風を捕まえる時もある。

人は皆、それぞれの人生があって、
それぞれの生き方以外はできないのだ。
大人になってからの春は、
特にそう思う。
足並みそろえることなど、もうないのだと、
袴姿の卒業生を見かけて思ったり。