短夜に 明日を探して 迷い猫

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その夜、階段の下で猫を見つけた。
小さな白い猫。
普段は近づいてもこないのに、
このコに限ってみゃんみゃんないてる。
お腹が空いてるのかなぁ。
猫なんて飼ったことのない私は、
何をあげていいのか分からない。

あんまりこちらを見てなくものだから、
近くのコンビニでキャットフードを買ってきた。
だけどそのときにはもういなくて。
お腹が空いてたってことじゃなかったのかな。
それとも飼い主がきたのかしら。

私は家路につく。
初めて買ったキャットフード。
あの猫の声が耳に残って、
捨てることができない。
次に迷い猫に会ったら、
このキャットフードをあげよう。
そう考え直したら、
月が笑った気がした。