人ごみの 隣の蛍 目も向けず

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都会が嫌い。
その人のこともその人のこともその人のことも知らない。
転んだって誰も大丈夫とは尋ねてくれない。
親切をしたら意外そうな顔をされる。

街が嫌い。
いつまでも明るくて、本当の闇なんて知らないんじゃないかと思う。
喧噪もそこで交わされる会話もどこか芝居じみていて、
ふと我に帰れば白々しい。

たったひとつ信じられるとすれば、
電車の窓に映る自分自身。
朝は必死に人ごみと戦い、
夜は人に疲れて目の下が黒い。

都会というのは、人で構成されているものなのだなと、
周りを見回してそう思う。
人間がいない建物の影だって、人の手がつくったもの。

だけど、そういう時にケイタイがなったりして、
友人に励まされる。
結局人の温かさで、私は今日を取り戻す。