夏雲や 何を隠して 色沈む

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嘘をついたつもりはなかった。
あなたの心をとらえる言葉を、
探しながら口にしたあのひと言。

だまそうなんてつもりはなかった。
ただこちらを向いてほしくて、
どうしたら私を気にしてくれるかと、
そればかり思いながら呟いたひと言。

伏せた目も。
つぐんだ唇も。

もしあなたを手に入れられるなら、
私はいつだって従順でいる。
いつだってのぞみ通り。
いつだってあなただけを見ている。
底を貫いているのは、
ひとつだけ。
あなたへの想いだけ。
そのことは、
そのことだけは、
分かってほしい。