ひとつめは ためらいで踏む 雪野原

ああ、緊張する。
あなたと会う、その瞬間、
本気で気絶するんじゃないかってくらい、
心臓がうるさい。

どんなことをいったら、
あなたと私が本物になるかしら。
ううん、それより前に、
会話が途切れたらどうしよう。

夜眠れなかったのはメークで隠したけど、
顔を近づけてきたら分かっちゃうかなぁ。
ああでも、ぴったり側まで行きたいもの。
そう、暗いところに行けばいいんだ。

なんて思ってた、初めてのデート。
初めてって、一回きりだね。