若葉色 千年のちも においたり

石の建造物は永久に続くのだと、
こういうところで思い知る。
愛を誓い、許しを乞い、
命の始まりも終わりも預けてきたこの場所に足を踏み入れて、
思わず息をつくのか止めるのか。
心に浮かぶのは誰なのか。

答えを迫られたら、
すぐに返事ができるだろうか。
私はそっと柱の陰に隠れて、
高い天井のその上にある神の領域を見た。