ギュスターヴ・モローを初めて知ったのは、
サロメを描いた「出現」という絵でした。
目に「彼が欲しい」という感情を詰め込んだ、
吸引力のある絵です。
亡くなるまで住んでいた自宅が美術館になっていると知って、
行ってみたいと思っていました。
螺旋階段のあるギャラリーは、
彼の遺した絵が飾られています。
一人二人の足音だけなのに、
妙にざわざわした雰囲気を感じるのは、
きっと、神話に主題を取ったから、だけではなくて、
描かれた人たちの凝縮された様々な感情が、
螺旋階段と一緒に渦巻いているから、ではないでしょうか。
特段好き、ではないけれど、
気になって仕方ない。
彼はそんな画家のひとりです。
(下の階は彼の住居が残っているのですが、
どんなこと考えながら暮らしてたのかしら、
どんな話を交わしてたかしら、
なんてのも考えてしまいますケド)