どの羽根を 選ばん夏の 空渡る

あなたは空を渡りたいといった。
青い空の時も、
灰色の空の時も、
鋭い光が音と共に左右に割るときでさえ、
空を見つめていた。

私は任せてといった。
羽根なら何でも揃ってる。
でも、本当はどれを選んでも、
地を這うものばかりで、
あんな高いところまでいけない。

ごめんね。
いろいろ並べ立てたけれど、
全部、あなたの気を引くための、
あなたを引き留めるための、嘘。
だって、それならいくつも用意してる。
どうにかして巧妙にごまかすから、
どうか永遠に気付かないで。