風の音に 指の触れ合う 晩秋夜

待ち合わせは午後の6時半で、
お店はちょっと歩く場所にある。
私はいつも通り5分前に到着。
風の吹く中、あなたを待った。

なんか手が冷たそう。
こちらを見ずにそういって、
ほとんど強引に私の手を取った。

ああ、寒くてよかった。
だって、自分からじゃとてもそんなことできないもの。
ちゃんと付き合ってからならともかく、
今はまだね。

ああ、ほんとに温かい。
北風交じりの風の音すら味方にしちゃうんだから、
秋の終わりって、
何かの始まりには意外といいのかも。