凍みる陽や 器の縁も まだ白し

デートの約束だったのに、
一人きりのランチ。
待合わせは流行りのトレンドスポットで、
通りは人でいっぱい。
お目当てのレストランは行列。
悔しいからひとりご飯にしてみた。

だって、窓際の席を予約してたの。
(窓際にしてほしいって、特に頼んでた)
楽しみにしていたのに。

雑誌の評価の高かったクアトロフォルマッジのピザ。
セットのサラダは冷たくて、
窓際の席は、実は風が吹き込んで寒くて、
ひざかけを貸してくれたけれど、
リチャード・ジノリの白がさらに冷えを感じさせる。

何を本当に楽しみにしていたのか。
窓の外を見ながら考える。
この景色を、外側からいつも憧れていたのに、
何もかもが冷たくて。