手のひらに 何を透かして 入夏夕

祈るという行為は、
夕方に似合う。
昼と夜の間。
神と人の間。

そのほかの時間だって、
きっと私の願いを聞いてくれるのだろうけれど、
夕方が一番通じる気がする。

静かな高台の公園で、
私はひとり手を合わせて、
何かが、 誰かが、 見下ろしているだろう、
あの薄い紺の空を見上げる。