夏月流 名もなき恋の 哀しさや

一生、恋なんかしなければいいのに。
嬉しさより、苦しみのほうが強いのだから。
それが片恋ならよけいに。
胸焦がれる思いも、
眠れない夜も、
報われることなんてない。

どうして人は、恋なんてするんだろう。
想いが通じ合うなら、
それより幸せなことなんてないのだけれども。
全ての人がその境地に与れるとは限らない。
それが片恋ならよけいに。

ため息の度に、
あなたに出会わなければよかったとばかり考える。
どうして、恋なんかするのだろう。
あなたの微笑みも凛々しさも、
手に入らないものだというのに。
どんな花より赤く熱い気持ちに、
心臓のあたりがただひたすら、
痛い。