若懸巣 高みのいずこを 狙いたり

初めからどのくらいの高さと決めて飛び立つのだろうか。
空はあれほど遠いのに。

初めからあそこまで行こうと決めて登るのだろうか。 
それ以降も枝は続くのに。

遠い遠いと嘆くのは、
本当は遠くまで飛び立つつもりがないからではないか。
樹齢二千年という木のそばに立って、
八人が両手を繋いで囲んでも足りないほど太い幹から、
はるか空の近くでそよぐ緑の向こうを仰ぎながら、
そんなことを考える。

初めから距離感を決めて近づくのだろうか。
もう少しお互い知り合えるかもしれないのに。