師走前 額の汗の いや光る

私が明治の頃に生きていたら、
(もちろん、人力車に乗れるような身分とお金があったなら、という前提付き)
きっと人力車の車夫に恋をしていたと思う。
足も腕も鍛えられ、
焼けた肌に汗が似合う。

私が明治の頃に生きていたら、
希望に満ちた人にまみれて、
未来を熱く語る人と一緒になったと思う。
だって私も、未来を見て生きていたいもの。 

そうやって考えてみると、
人の魅力や惹かれる理由って、
100年やそこらじゃ変わらないのかもしれない。
いや、千年の昔からでも、そう変わっていないのかも。
そんなことを考えながら、
監視員さんの目を逃れて、そっと人力車に触れてみる。