凍みてなお 大海に注ぐ 想いあり

冬の水の音ほど、
寒さを思い起こさせるものはないと思う。
指先を差し入れただけで、
身も心も凍るよう。

冬の川ほど、
寒さを倍増するところはないと思う。
周りの草も枯れて、
物悲しい雰囲気だけが漂う。

だから哀しいときには、
冬の川に行く。
私の心の寒さより、
ずっと冷たいものが流れていくと思えば、
そして、 流れきった先には、
冬でも命育む海があると思えば、
少しだけ、
ほんの少しだけかもしれないけれど、
背筋を伸ばす気力が出てくる。