冬木立 舌のやけどの さも熱く

初めては、誰もいない教室だった。
不意に……、
でも本当は、ものすごく前から考えてたんでしょ?
後から考えると、
肩に触れてくる手が強引だった。

初めては、踏切近くの道路だった。
電車の通る音がうるさくて、
大声を張り上げてあなたに告げた。
周りの人、素知らぬ顔だったけど耳を澄ましていたよね、
なんて、思い返す。

まだ喉の奥まで熱い。
初めての全てが、
何度も何度も瞼裏に甦る。
呼吸をする度、
瞬きをする度に、
何度も何度も。