初釜の 華やぎの裾 ひとり飯

すごく楽しんだ後に、
一人のご飯。
高揚した心に合わせて少し贅沢したくて、フレンチ。 
店員の方のおすすめを選ぶ。

一人きりなんて、
普段なら寂しかったり、
手持ち無沙汰だったり、 
フォークとナイフの音に、
いつも以上に気になっちゃったりする。

だけど今日は、なんだか大丈夫。
さっきまで心行くまで笑い合っていたから。

もちろんただ楽しむということならば、
現代人だし、一人でもできる。
けれども、やっぱり人との温かさは、
胸を熱くする度合いが全然違う。

誰にいうわけでもないんだけど、
おいしかった、と呟く。
とくにこのスープが秀逸。
パンはまあまあかな。
そんなことを、誰かとシェアするように感じる。
心がまだ温かいから。

私には、良い友人がいる。
そのことを、心に強く強く思いながら、
笑顔で食事を終えた。