底冷えの なんたることや 夜も更け

昔、そう、学生の頃、
真実は夜に見つけるものだった。
ビールジョッキを何杯も重ね、
数多のことを語り合った。
その中に、今に通じる真実もある。

昔、まだ未来が決まっていなかった頃、
縛りがなかった分、たくさんのことを話せた。
今ほど知識はなかったけれど、
今ほど怖いものばかりでもなかった。
そういうときに気づくことの、
いかに真実に近いことか。

今、夜が更けていっても、
今日の続きの明日でしかない。
新しい発見をして、
人生の意義を見つけて、
喜びは何なのか、哀しみは何なのかを探り合っていたあの頃、
もどれないとしたら、今は何をしたらいいのか。
そのことを探るのも、夜にある。