玉ねぎの 新もの取れば 重過ぎて

春が嫌い。
なんですべてを新しくしないといけないの?
見知らぬ新入社員らしき一群にそう思ってみたり。

春は落ち着かない。
道行く人の三人にひとりはフレッシュな決意にあふれていて、
それが私を責める。

「がんばれ」という言葉。
誰かの励まし。
私に向けられたものではないはずなのに、
妙に身に沁みる。

何もかもが春にそろうというものではないでしょう?
私はまだ、準備ができていない。
いちばん大事なことの土台が整っていない。
挨拶みたいに気軽にかけられる言葉に、
本当は少しずつ心が削られている。