沈上花 一息入れて 笑み直し

嘘ついて、一人で抜け出してきた。
春一番の午後。
向かい風をなんとか過ぎて、
カフェオレとケーキでお茶。

ごめんね。
でも疲れちゃったの。
インターネットにケイタイに。
一人きりになれる場すらなくて。

繋がっていたいのは、あなただけ。
でも、そんなのできもしない。
あなた以外の連絡も、
いつだって受けてつけてますって、
いいかっこしいの外面。 

甘いケーキに舌鼓を打ったら、
頬杖をついて、
あなたとの甘い瞬間のことを考えよう。
こういう、期待とか未来とか甘いとか、
そういうものに包まれる時間も好き。
さっきメールしたから、
ケイタイ持って出ないって追記もしたし、
あなた、慌ててここに来るかもね。

好きな人をただ待つ。
そういう幸せ、今じゃ工夫しなきゃ手に入れられない。