平坦だといわれて来たはずなのに、
裸足の裏が怪我をしている。
小さな擦り傷、
こすれたあと、
気づかないうちに負った怪我。
先人が通ったあとの轍だと聞いたけれど、
それでもいくつもざらりとしたところがある。
あたりは一面険しくて、
唇を噛み締めなければ通り抜けもしなかったような、
森の獣道。
開拓者という人たちに、
敬意は払う。
もっとも原始的な道具を持って、
もっとも研ぎすまされた精神で臨んだ人たち。
昔はそれに憧れたけれど、
もう、知っている。
残念だけれど、私はそれじゃない。
もっと力弱くて、
取るにたらない存在。
均されたように見える道でも、
怪我をしたりする。
だけど、じゃあ開拓者のようになることだけが、
負けじと強く賢く気高くあれと、
それだけがただしいのだろうか。
否。私は私の在り様がある。
人の後を続いたとしても、
私なりに見える世界があると信じている。
それを探していきたいのだ。
そのために、この道を歩み行く。