冬苺 似たり寄ったり 選ばれず

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流行の服を身に付けて、
流行の映画を見て、
流行のレストランに行ってみたいと所望した。

数日前から雑誌を入念に点検して、
世間の意見も参照にして、
どんな服なら気に入られるのか、
どんな仕草が好まれるのか、
そうして向かったはずなのに。

そりゃあ、あなたは皆から人気のある人だって、
そんなこと、とっくに分かっている。
だから、工夫も努力もしたのに。
なのに。

あっさりと、
実にあっさりと振られちゃった。
大勢の中のひとりでしかなかったと、
落ち着いてから考えてみれば、
そう思い至る。

それなら、どうしたらよかったのかな。
あなたというひとを手に入れたいのに。
ほんとに、恋に教科書なんてない。