雪枕 遠くに望む 峯標

IMG_6669

小さく見えても、
本当は歯が立たない。
頂の雪すら、
触れることはできない。

それなのにいつも、
その先登にあるものばかり、
語っている。
山に登ったこともないのに。

山に登る人もいる。
その頂に立って、
私の、大方の人の、
見たこともない景色を見る。

それは、連々と繋がる山の峯だろうか。
それとも、いつ果てるともしれない雲の海だろうか。
あの山に登ったら、
ここに立つ私のことは、
見えるのだろうか。